2013年05月27日

ぼくは知りませんでした

店のメニューに“パッタイ”があります。
名前だけ聞いてどんな料理か分かる人は、
タイ料理がけっこう好きな人ですね。
話が合うので早く店に来てだらっだら喋りましょう。

ぼくは初めてタイに行ったとき(初めてタイ料理を食べた瞬間)に
タイ料理が大好きになって、毎食毎日貪り食いましたが、
その1ヵ月の間、パッタイは食べませんでした。
パッタイを知ったのは、帰国後しばらくしてから。
日本人の友達が教えてくれたと記憶しています。

トムヤムクンやグリーンカレーほどは有名じゃないので、
ぼくもメニューにタイ語の“パッタイ”で載せるべきか、
どんな物体かなんとなく分かる料理名に訳すか少し悩んで、
結局は日本語で載せてあります。

さんざん勿体付けた感じになってますが、
どんなものかというと…

パッタイの“パッ”は“炒める”、
“タイ”はそのままタイランドのタイのことです。
だから直訳すると“タイ炒め”。
当然分かってるとは思いますけど一応言っておくと、
タイを炒めてるんじゃなくて、
タイ式に、タイスタイルで、タイ風の、炒め物って意味ですね。

これじゃ何を炒めてるか分からないじゃないか!
という声はごもっともです。
でも、今や松本名物の山賊焼きだって、
名前だけじゃ何焼いてるんだか(そもそも“揚げ”じゃないのか!?)
素材や味付けについての情報はありません。
だから、タイ人には“タイ炒め”でも構わないんです。

ただ日本語のメニューに“タイ炒め”って単語を書くくらいなら
(どっちみち分からないなら)タイ語のままのがよっぽどラブリーです。
ということで、うちでは“タイ焼きそば”としてあります。
そう。ひとことで表せば焼きそばです。
ただ、甘酸っぱいソースに、卵、ピーナッツ、干しえびの味が絡んで、
日本や中華の焼きそばとはかなり違う、
そこが“タイ式”なのだと理解しましょう。

この甘酸っぱいソースの元は、タマリンドというマメ科の植物。
15センチぐらいの鞘ごと干して押し固めたものを水で戻して、
果肉をボールの中でぐちゅぐちゅ揉んで、こそぎ取ります。


この写真を使うかどうか考えものですが、見た目とは裏腹に、
ぐちゅぐちゅした指を舐めるのが楽しみな、激うまタマリンド汁です。


種とか硬い繊維を漉してペーストにしたものに
砂糖、ナンプラーなどを加えて煮詰めるとできあがり。


ちなみにタマリンドペーストは、
ずくなしできる(ちょっと高いけど)瓶詰めもあります。
別の料理のタレで、少しだけ必要なのがあって、
そっちは瓶詰めを使ってます。ラベルに描いてあるのがタマリンド↓


肝心のパッタイ完成品の写真がなくて、
詰めの甘さが決定的なブログでした。  

Posted by soi at 03:12Comments(0)料理

2013年05月16日

うちの芝が青くて青くて

円安で外国人観光客が増えてるってニュースは本当なんでしょうか?
タイでは逆に、バーツ高で観光客が減ることを心配してるようです。
なあんてグローバル経済でも語るかと見せかけて、
ぼくが気にすることといえば、
「タイからの輸入食材が値上がりしないといいな」ぐらいなもんです。
超利己的、かつミクロですみません。



値段は、いくら祈ろうが思考を楽観的に努めようが、
上がるときは上がるので(そして必要な物は買わざるをえないので)、
楽しい妄想でもエスカレートさせて気分を変えたいと思います。

タイ製の瓶詰めとか缶詰を開封(開栓)するとき、
いつも思うことがあります。


例えば↑これ。
輪っかのとこを引っ張ると、
その下に直径3mmぐらいの穴が開くようになっています。
でも実際は、2回に1回は輪っかだけが虚しくちぎれます。
実に、失敗の確率50%

↓はココナッツミルクの缶詰ですが、


これもコツをつかむまで、
プルトップ部分だけがちぎれて缶は結局缶切りで開けるという、
無駄な二重作業を繰り返しました。

こういう、構造の目的をさっぱり果たさない工業製品は、
タイ製品にありがちです。
日本のツナ缶でもやきとり缶でも珍味缶でも、
はたまた麺つゆのボトルでも焼肉のタレの瓶詰めでも、
輪っかだけが取れたことなんて(少なくともぼくの人生において)
一度たりともありません。
それどころか、いくつかのキャップなんて、
使い終わった後のプラ部分の分別のことまで考えられていて、
するっと外れる構造だったりします。
その分解のスムーズなことといったら、
バッティングセンターでうまいことミートして
ホームランのボードにライナーでぶち当たる感触にも匹敵します。

タイの調味料を新しく開けるとき、
ぶちっといかないように細心の注意を払っていると、
同時に「日本製品はなんて完成度が高いんだろう」
と自国の工業人たちの完璧な仕事に感服するわけです。  

Posted by soi at 01:00Comments(2)タイランド雑感

2013年05月12日

そういえば置いてた

「いったいいつまで灯油買うんだよ!?」と渋りながらも新たに買って、
次の日からストーブ点けなくて平気だったり。

「これは面白いにちがいない、わくわく…」と思って読み始めた本が、
初めの数ページめくってから、既に本棚にあるやつだと気付いたり。

あてがはずれた感じというか、ちょっと違うような、そういう感じ、
分かってもらえますか?


今週ランチに来たお客さんから、
店のショウケース(外から見えるところ)に置いてあるもののことで、
質問を受けました。


これだと何だか見えないですね。。。


↑真ん中と右手前の枯れ木みたいなやつです。

説明書きからもなんとなく分かると思いますが、香木です。
炙ったり熱してやると、それはそれは芳しい香りを放つらしいです。
自分では未経験なんで、伝聞です。

というのも、これはタイで知り合った友達が売っている商品で、
彼に頼まれて置いてるからなんです。

店内の棚にもいくつか並べてます。


うすうす気付いたかと思いますが、
「値段おかしくない?」という疑念はもっともです。
でも、おかしくないんです。
おかしくないどころか、これでも破格的に安いらしいです。


ぱっと見、枯れ木みたいですけど、いい匂いの元は樹脂の塊で、
ハイクオリティーのものはかなり希少価値も高いらしいです。
全部“らしい”です。門外漢なんで。

友達は、
「ネット販売だけで実店舗がないから、
 本物を見て興味を持ってくれる人がいれば、ここで売れなくてもいい」
とは言ってますが、
去年の11月に置いてからきょうまで、まだ1こも売れてません。
置いた直後は「誰かに何か聞かれるかな?」と思って、
いろいろ僕なりにお気楽ネット検索で商品知識を得たりしましたが、
いっこうに興味を示される気配もなく、存在を忘れてました。
今ごろになって反応があるとは。。。
反応してくれたのは新聞記者さんで、一応、取材ということなので、
なんか変化があるかとほどほどに期待して天命を待ちます。  

Posted by soi at 01:24Comments(0)店のこと